DMX－５１２　解説

一言で言えば照明機材を制御（主に調光）する信号（伝送仕様）です。電子楽器などを制御するMIDI信号の 照明版だと思ってください。各種イベントの照明効果で使用する多数のライトを自在に制御している所に DMX512が活躍しています。間違い無い！

電気通信関係の専門書を見ても、なかなかDMX512は出てきません。そこで解説ページを作ろうと 思った訳ですが、もう既に立派な解説ページがありました。詳しい説明はそちらを参照してください。

●タマテックラボの勉強部屋 には調光のしくみやDMX信号、MIDI信号の解説があります。
●水戸市のイベント音響・照明屋さん、㈱ジャストの吉崎さんのページ、 電装工芸－DMX512解説 はDMX機器を自作してしまおうと言う人向け情報があります。私もPICファンです。
●オレテキ に簡易調光コントロールソフトがあります。パソコン用DMXインターフェイス情報があります。

つまり、２５０KｂｐｓのRS485で５１２ｃｈ分の調光制御値を繰り返し送り出しています。 DMX信号を受ける照明器具側で受信ｃｈを設定しておけば、数珠つなぎで連結したDMX信号で ch別に制御できる訳です。

一番の利点は電力ラインと制御系が分離でき、電力ラインの配線長を短くできます。 制御系が分離できると言う事は、危険な強電設備に近づく事なく、安全な場所で弱電機器である DMXコントローラが操作でき、感電事故の可能性が低くなります。
ここまでなら別にDMX512を使わなくても色々な方法で実現できます。 嬉しいのは、DMX512信号をケーブル１本でDMXコントローラから調光機、DMX機器間を数珠つなぎできることです。 このメリットは特に特設ステージなどの仮設の時に威力を発揮します。コンサートホールなどの常設設備ならば調光室と 舞台まで何本ケーブルが通っていても工事の時に苦労すれば済みます。しかし仮設ステージのイベントでは手間のかかる 工事をする暇がありません。

DMX機器を数珠つなぎ出来るのは嬉しいのですが、いつも一筆書きの順序で機器が並ぶとは限りません。 また、数珠つなぎ出来る機器の数にも制限（３０くらい）があるので何処かで信号を分配したくなります。その様な場合に 使うのがDMXディストリビュータとかDMXスプリッターです。ひとつの入力を複数の出力端子に出します。このように すれば多数のDMX機器が接続できます。
また、DMXコントローラが複数台ある場合はどうしましょう。別な場所から操作したい場合や、舞台の内容によって 別なタイプのコントローラを使いたい場合など、いちいちケーブルをつなぎ直すのは面倒です。そんな時に使うのが DMXミキサーと言う機材です。DMX信号は１ｃｈから５１２ｃｈの制御値を順に伝送しているので単純に信号を混ぜる訳には 行きません。DMXミキサーは入力端子数分の独立した受信回路を持ち、それぞれの入力からの制御値の中で各ｃｈの一番大きな値を 出力値として再構成します。
つまりDMXケーブルの引き回しとしてはDMX信号を出力する機器が複数あればそれらをDMXミキサーで１本にし、 そこからDMXデストリビュータで分岐したりDMX機器を数珠つなぎして接続して行けば良いことになります。

イベントの種類やステージの舞台装置などで照明のしかたは変わります。コントローラは調光回路数に見合った ｃｈ数分の制御が出来ればよいのですが、演劇などの様に多数の場面があるが頻繁に照明が変わる訳ではない場合と 音楽の様に頻繁にタイミング良くどんどん照明が変わるものでは要求されるコントローラが変わってきます。